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生きる力を育て、やる気を引き出す

《特定非営利活動法人あすなろ学舎》稲田弘重

 

まず、当施設で生活し、学校へ復帰した3名の事例について

彼らの感想文、手紙などを通して紹介したい。

 

●M.Mさんの場合

不登校期間 中学1年1月〜中学2年10月(約10カ月) 13歳女子

 

《家族構成》

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当事者について

高2の姉との2人姉妹。家庭では無口で、反抗的なところは全くなかった。

 

あすなろ学舎に来て M.M

私はここに来て5カ月ちょっとたちます。今では、すっかりこちらの環境にも慣れて、そして友達もできて楽しく生活しています。

初めて来た時、本当にここで親から離れて自分ひとりでやっていけるのかと不安でしたけど、今では女子のみんなと協力しあって仲良くやっているから、初めの頃の不安はなくなりました。5カ月たってみて、自分もなんとなく変わってきたかなぁと思います。前の私だったら外に出ることを嫌っていたし、そして運動するのも嫌いだった。

それが今の私は逆で、部屋の中にじっとしているよりも外に出て遊びたいし、運動もいっぱいしたいし、前よりなんかやる気が出てきたみたいです。

お話し会の時だって、前の私だったら絶対に皆の前で、自分から進んで読むことなんてできなかっただろうなぁと思います。

とにかく、ここへ来て損はなかったと思います。たくさんの人とも出会えたから、もっと積極的になれたら学校に戻って、がんばっていこうと思います。

とにかくここの生活には、今は不満もないし、皆と仲良くやっているからすごく楽しいです。最近では1週間たつのがとても早く感じています。家に帰っても早くここへ帰って来たいなぁなんて思っています。とにかくとっても楽しい毎日を暮らしています。 おわり

 

経過(その後の便り)M.M

拝啓、お元気にしておられたでしょうか?お手紙遅くなって申し訳ありません。このところ毎日暑い日が続いて少しばて気味ですが、学校へは元気に通っています。

新しい学年になり、新しく友達もできました。ところで校長先生は、私がなぜ学校へ行く気になったか、気持ちの整理がついてきたらその訳を教えて欲しいとおっしゃっておられましたが、そのことについて自分でよく考えて、だんだん気持ちの整理もついてきたようなので書きます。

 

 

 

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