互いに悩みを共有することで、信頼関係を強くしたり、相互気づきを得るワークとして最適である。
また、実践的心理カウンセリングの知識と技術の習得を目的としたカリキュラムも組まれている。他者カウンセリングの知識と技術は、ひいては自己カウンセリングにも応用でき、自己確立に大きな力になっていると考える。さらに当学園は、野外活動や保養研修など、1カ所で多目的に活用できる施設「自然の家うつみね」内に設置されており、一般来場者と常に触れ合うため、登校拒否や引きこもりだけの施設というイメージはいっさいない。こうした生活環境は、とかく自己否定感や、罪悪感を募らせている彼らにとって、人としてのプライドや自尊心を損ねることなく、自己評価を高め、速やかな回復、改善の一助になっているのかも知れない。
ちなみに、前述の彼もまた、そうした生活体験を通して新たな人生の一歩を踏み出している。
不登校や引きこもりの家族へのメッセージ
学生は、行ってもせいぜい16年間である。それから先は否が応でも社会経済活動をしなければならない。そのために今、何が必要なのかをこの機会にぜひ考えて欲しい。これから大人になるために、自らを育む本当の勉強をして欲しい。どんなにつらく苦しくとも、また自分を悩ます明確な他者や、原因、キッカケが仮にあったとしても、最終的には自ら引き受けて、生きていくしかないのだから。さらに、私たちフリースクールやスペースを設置する者として、これまでは家庭と学校や社会の中間施設として、居場所の提供等を第一の目的にしてきた(きらいがある)が、今後は彼らが速やかに自己回復するための現実的かつ、具体性のある、さまざまな支援策を考えていかなければならないと強く念じている。