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長男の不登校が私に与えてくれたもの

母親

 

不登校期間 中学1年2学期〜3学期、2年10月〜 13歳男子

 

《家族構成》

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神経性大腸症候群

長男が不登校気味になったのは、中学校へ入学して間もなくでした。4月に無事入学式をすませ、5月にバトミントン部にと、部活も決まり進学塾との両立でがんばっていました。

ところが、5月の後半あたりから下痢が起こるようになり、登校する前になってトイレにかけ込むことが目立つようになりました。それも、登校直前の朝7時過ぎごろ、カバンを背おって玄関で靴をはこうとするあたりになると、またトイレへかけ込み、しばらく出てきません。そういうことがたびたびあり、学校のほうも当然遅れ気味になって、8時30分、9時過ぎになってしまうのです。

中間テスト、期末テストも保健室で受けるようになりました。教室でみんなとテストを受けても、下痢の時迷惑もかけるだろうし、本人もトイレの近い保健室のほうが安心でもあったからです。そしてこの頃から、腹痛もあり、急な痛みで転げ回り、見ている親もその場では、さすってあげるくらいしかできませんでした。様子を見て、病院へ連れて行って診察してもらった結果、「神経性大腸症候群」と診断され、ストレスやプレッシャーからくるものだと言われました。本人自身、気持ちの中では 「がんばろう、がんばろう」と思ったり、テストでも少しでも良い点を取って順位を上げたかったのだと思います。

病院からいただいた薬を飲みながら様子を見ていましたが、やはり腹痛は時間に関係なく昼間、夜中、夕方と急に起こるのです。特に、夜中の痛みは大変でした。痛い間は本人も寝られないので、3時あたりまで起きていることもありました。そんな時は、朝方になって熟睡しているので、登校時間までには起きられないのです。こんな日が、1学期の夏休み前あたりまで続いたと思います。遅れて登校しても、保健室で過ごすことが多くなり、学校も休みがちになって、教室へ入れなくなりました。教室前まで来ると足が動かなくなり、体が固まってしまうらしく、一歩が踏み出せなくなりました。

担任のH先生にも家に来ていただいたり、先生なりの対処はしていただいたのですが、先生の思いも本人には通じないまま不登校気味になりました。私もこの頃は、子どものことで疲れていて、本人の気持ちを察しながらも、反面では親の体裁もあり、パニック状態でした。パートの仕事もしていたのですが、仕事と子どものことで気持ちまで整理できなくなってやめました。この場では書きませんが、不登校は長男だけでなく、「当時」小学2年の娘も長男より先に不登校になっていたので、本当に大変な状態でした。

 

 

 

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