報告1-2
介護を担う家族のプログラム
介護教室の取りくみから
西宮・地域たすけあいネットワーク「かものはし」
(記 研究委員会事務局)
兵庫県西宮市を拠点に活動する非営利団体。阪神大震災後、被災してコミュニティを失ったお年寄りの心のケアを目的に活動を始めた。現在は、移送サービスや給食サービス、文化教室など、お年寄りや障害のある人たちの社会参加を推進する事業を展開。「かものはし」はこの団体の通称。2001年6月からNPO法人として新しく出発した。
《有給スタッフ6人、ボランティア約100人/2001年6月現在》
1 高齢者のデイサービスと介護講座の開催
阪神大震災の後に整然と整備された住宅街のなかに「かものはし」の活動拠点、「かもハウス」と名づけられた2階建てのプレハブがある。このプレハブの1階では介護の必要なお年寄りのためのミニデイサービスが行われ、2階では介護を担う家族がリフレッシュできるための介護講座が1年にわたって実施された。
この介護講座「オーロラ・プロジェクト」は介護技術を教えるものではなく、介護する家族のリフレッシュに主眼をおいた、自己発見の場をめざしている。参加する介護者が癒されるだけではなく、自分を発見し、表現しながらネットワークをつくっていくことをめざして、プログラムが企画・実施された。
2 介護者のケアに着目
西宮に移り住んで3カ月めに阪神大震災に遭った前代表の牧野史子さんは、仲間に呼びかけ、仮設住宅のお年寄りの支援を展開してきた。