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ライザーの応答が渦励振による多重モード特性を持つ場合は、追加の帯域フィルターを使う必要がある。この方法は、Schiehallionサイトのライザーに関する測定値に基づくCornut and Vandiver (1999)の研究で使われている。

 

モード解析の手法

ライザーがいずれかの固有モードで応答している場合、ライザーの任意の位置における変位量と局所的な傾きは特定の関係を持つ。これは、ライザーの応答に多くの異なる固有モードが含まれる場合にも成立する。この関係を利用すると、重力による外乱の影響を避けることができる。

ライザーの主要仕様を表1に示す。ライザーの振動モード形(固有関数)の計算には、有限要素法のコンピュータプログラム(RIFLEX)を用いた。振動モード形の計算に加え、0次モードに相当する直線形状も定義した。0次モードを定義する目的は、ライザーの上端で掘削プラットフォームから伝わる不規則の遅い動きをモデル化するためである。図2に、0次から5次までの振動モード形を示す。振動モード形は、正弦曲線とは少し異なる形状をしている。これは、主に、海底から海面に向けて張力が漸増することと、ライザーの一部に浮力エレメントが無いために有効質量にばらつきがあることによる。上端部での張力が未知である(掘削ライザーでの記録が残されていない)ため、振動モード形状には不確実な要素が含まれている。また、追加重量が、局所的な振幅と周波数の関数としてライザーの長さ方向に変化する(Gopalkrishnan 1993)ことから、事前に計算された振動モード形は、実際の形状とは幾分異なる。

 

表1 ライザーの主要データ

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モード分解は、ライザーのあらゆる時間依存形状が固有関数の和として表せるという仮定に基づいている。X方向の変位量は、以下の式で与えられる。

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