渦粘性による抗力の増幅:
渦励振にさらされるライザーにおけるcd値の増加も、設計手法に組込むことができる。
この増分の定量化に一般的に用いられるデータ(Blevins 94)は、ほとんどが室内実験によるロックイン現象に基づいているため、過小評価になっている。より信頼できるデータとしては、(Penny 99)、(Fernandesら 97)、(Vikestad 98)などがある。
予備的な検証結果
Ferrari & Bearmanモデルは(Sertã 99)などの事例研究に用いられ、設計への応用が期待される結果を出している。
●図3 Ferrari & Bearmanモデル(左)とShear 7(右)による横方向振動の解析結果の比較
ここでは、こうした研究成果の中から、(Ferrari 98)による縦型の緊張ライザーの例を取り上げ、その内容を要約する。各種のパラメータを以下に示す。
-外径:0.25m
-内径:0.211m
-内部流体の比重:800kg/m3
-水深:300m
-予張力:500kN
-海流分布:海面で1.5m/s、海底で0.4m/s、中間部は線形内挿補間する。
ここでは、図3と図4に示す結果に着目する。図3に、横方向応答(最大値y/D)に関するFerrari & BearmanモデルとShear 7(平方2乗平均値)の解析結果を比較する。Shear 7では、プログラムの内部モデルに組み込まれているcl値を使った解析と、Bearman & Ferrariモデルと同じcl=1.2を使った解析を行なっている。