3.2 ENC仕様概要
ENCは任意の媒体に格納された交換セット単位で提供される。交換セットは一つ以上の緯度、経度で囲まれた任意の区域ごとにファイルされたデータセットファイル、各データセットの包含区域を示すカタログデータファイル、及びReadme. txtテキストファイルから構成され、その他必要に応じ任意のTIFF形式イメージファィル等も含むことができる。
交換セット
・カタログファイル(1ファイル)
・データセットファイル(必要数)
・ドキュメントファイル(Readme. txt)
・イメージファイル(******. TIF)
(1) データセット
任意の緯度、経度の矩形に囲まれた範囲のデータでセルと呼ばれる。交換セットには一つ以上含まれ、IHO基準S-57では次のように定義される。
・ENC資料の効率的な処理を容易にするために、利用される地理的な有効範囲はセルに分けられなくてはならない。
・各セルは物理的に分離され、転送媒体上で唯一に識別され、データセットファイルとして認められなければならない。
・セルのファイルサイズは、5メガバイトを超えてはならない。
・セルは長方形でなければならない(2緯線2経線で定義される)。
・各セルは「M_COVR」メタオブジェクトで完全にカバーしなければならない。
・同じ縮尺のセルが重なるときは、データは重複してはならない。このルールは異なるENC製造機関に対しても適用される。
(2) 航海目的
航行する海域ごとに利用する海図の縮尺が異なるように電子海図でも航海する目的ごとに6種類の航海目的コードがある。各航海目的に用いる海図は各水路部に任されており、日本では、下記に従って作製している。