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UN/CEFACTは、この勧告によって電子商取引を実施するために契約面からアプローチするモデルを勧告する。このアプローチは、事業体が合意すべき日常の商取引を実行する上での柔軟性を兼ね備えた基本的な条項の枠組みの必要性を考慮に入れている。

 

電子商取引協定書(以下、“E協定書”[E-Agreement]と称す)は、企業間電子商取引の当事者に商取引の必要条件(commercial requirements)を提供するものである。これは、電子商取引(以下、E取引[E-Transactions]と称す)を確実にすることのできる1組の基本的条項を規定するもので、その後、取引当事者は有効な法的枠組み内で取引することが可能となる。

 

E協定書は、E取引を行うために使用されるすべての種類の電子的通信に適用するものである。特に、EDIに基づいて契約関係を締結する取引当事者に対しては、EDI交換協定書を引き続き使用することを勧告する。EDIを含む各種の電子的通信技術を組合わせて使用して契約関係を締結する当事者には、E協定書の使用を勧告するものであり、必要な場合には、EDI交換協定書の使用をE協定書に置き換えることを勧める。

 

規制

 

E協定書は、企業対消費者間(businesses to consumers)の取引関係にも使用することは可能であるが、これには、消費者保護に関する条項は規定されていない。消費者保護法は、一般に、強行法規であり、消費者と契約を締結する場合、通常は、消費者の国および地域の消費者保護法が適用される。したがって、消費者と契約を結ぶためにE協定書を使用する企業は、これらの国および地方の消費者保護法を遵守しなければならない。

 

さらに、このE協定書を行政機関や公的機関との取引に使用するときは、適宜内容の変更が必要である。

 

当事者が為すべきこと

 

E協定書は、後日E取引を締結するための枠組みを提供する。若干ではあるが、E協定書では、当事者に代替条項を提供している。当事者は、選択する代替条項を慎重に検討して、特に意思表示が示されなかった場合に適用される条項を採択するか、あるいは他の条項を選択するかを決めることが望ましい。さらに、当事者は、E協定書を完成することに関連して、次のステップをとることが望ましい。

 

 

 

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