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2.2 契約者への重要事項説明

 

損害保険会社は、契約締結に関して、契約者に重要事項を説明し、確かに説明を受けたことを確認するための署名・捺印が求められています。保険会社が説明しなければならない重要事項の例は次のようなものです。

・契約者での内容確認の必要性(被保険者、保険条件、貨物、保険金額および保険価額、輸送用具等)

・保険金額外貨建て(為替レートの変動により契約締結時と保険金の支払い時とで、円貨に換算した保険金額が異なる)

・保険金を支払えない主な場合

・事故に遭ったときの処置

・信用リスク

・市場リスク

 

信用リスク・市場リスクは、損害保険では、ちょっと耳慣れない言葉かもしれませんが、昨年11月に成立した法案『金融商品販売法』で決められたものです。信用リスクとは、簡単に言うと、引き受けた保険会社が経営破綻した場合、保険金・返戻金等が削減されることがあること、貨物保険は、損害保険契約者保護機構の補償対象に該当しないことです。

市場リスクは、外貨建の輸入金額を円換算し、円建て保険金額にする場合の円貨換算率です。

これらのことは、外航貨物保険においては当たり前のことと考えることは簡単ですが、現状では、損害保険会社は、契約者に説明をした事実を明確にするために、契約者が確認したという捺印・署名を求められています。EDI化されても、別個にこれらの対応を書面で契約者と交わすことにより、この種の問題を解決する方法を取ることが適当と考えます。

 

2.3 保険約款の取り扱い

 

日本の損害保険会社が扱っている外航貨物海上保険はロンドンマーケットに従っていますので、各社とも基本約款は同じです。基本約款は、現行の証券フォームの表裏に記載されていますが、これを電子化された保険証券に電子メッセージとして組み込むことも可能です。技術的には、印刷も問題はありません。

 

 

 

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