日本財団 図書館


4.3 各プロジェクトとの相互接続と貿易書類の標準化

 

貿易金融EDIには、複数の国の、銀行や輸出・輸入企業の他、運送会社、保険会社、海貨業者など、多数の企業が登場します。さらに、各国の通関当局なども関連します。これら、複数の国にまたがる多数の主体が、ひとつのネットワークなりシステムを利用することは、あまり想定できません。

やはり、複数のネットワークやシステムが相互接続されて、全体として国際的な電子貿易が実現されてゆくというのが、将来の姿であると想定されます。その基幹となるネットワークなりシステムは、先ほど述べましたように、SWIFTなりBoleroになる可能性が高いと思います。

 

SWIFTやBoleroと、例えば、日本やアジア諸国の貿易金融EDIシステムを比較した場合、基盤となるシステムは異なっているものの、

・国際標準のUN/EDIFACTに基づいて貿易書類の標準化を推進していること

・技術的には、XMLの文書形式を用いていること

においては共通しており、相互に協力していく余地は十分にあるのではないかと思います。

 

4.4 決済システムとの連携について

 

現在、国際間の資金決済は、原則として、各企業の指図に基づき、その取引銀行が、相対決済する仕組になっています。具体的には、多くの場合、各企業が取引銀行に対して、書面による指図を行うことにより、取引銀行は、SWIFT経由支払指図メッセージを授受し、コルレス銀行間で、もしくは各国の決済システムを通じて、決済しています。

 

従来の電子貿易プロジェクトでは、決済システムとの連携が今ひとつはっきりしていませんでした。ところが、

・Boleroの発展により、条件付の支払も可能になること、

・SWIFTのTrustActでは、企業から直接SWIFTへ支払指図を流せること

を考え併せれば、輸出入者の当初決済条件に従って、電子的かつ自動的に決済が行われることも、十分に視野に入ってきたと考えられます。

 

(細川通則・山田則人)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION