3.2 SWIFTのe-commerceへの取組
SWIFT (The Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunications)は、1973年に設立された、国際的な銀行間の決済ネットワークを運営する非営利の組織です。インターバンクのネットワークなので、あまり一般の企業からは目に見えませんが、現在は、世界で約7千の金融機関が加盟しており、国際的な銀行間の最も重要なネットワークの一つとなっています。
1999年9月のSWIFTの年次総会(SIBOS)に於いて、SWIFTは企業間電子商取引への進出を表明しました。具体的には、Identrusを電子認証の基盤として採用すること、および、Identrusを使用して、次の2つのサービスを開始する予定であることを表明しました。
3.2.1 TrustAct
TrustActは、SWIFTの提供するセキュアなネットワーク(以下「SWIFTネット」と言います。)とインターネットとの中間にあり、両者を結び付けるサービスおよび機能です。例えば、買手企業から販売企業へ、発注書を発信する場合、「買手企業→インターネット→TrustAct→インターネット→販売企業」という経路で到達することになります。
利用者(買手企業および販売企業)は、直接インターネット経由、発注書を授受する場合に比べて、次のメリットがあります。このメリットが、そのままTrustActの主な機能です。
・相手方の確認が可能です(買手企業の取引銀行は、販売企業の取引銀行経由、販売企業に対し、買手企業からの発注書である旨を連絡します。)
・送信されたメッセージの通信時刻がTrustActに記録されます。
・送信されたメッセージの内容も、TrustActに記録されます。