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3.2.2.5 印紙税

船荷証券を電子化した場合、及び一旦電子化したデータをプリントアウトしたものも課税対象とはならないことが確認されました。そもそも国際貿易に関する印紙税は紙の書類であっても印紙税の対象外とすべきではないでしょうか。

特にSWBは請負契約の一種とされ、運賃額を記載した場合には表記運賃金額に応じて課税されるので、運賃額を表示しなければならない場合には使い難く、(担当者にとってはいろいろな場合を使い分ける事は神経を使うので)SWBの普及を阻害している、と言われています。

 

3.3 標準化

 

3.3.1 トレードチェーンと言う考え方

巨大荷主を中心に「囲い込み」を図る、とする考え方があり、閉じたサークル内で独自の方式を押し付ける傾向がありました。また、他のトレードチェーンと異なる書式や様式で「差別化を図る」という考え方もありました。歴史的にも標準化は相当のエネルギーを要し、リーダー的な企業が中心とならざるを得なかった面があります。また、今後とも多数の利用者があるものが事実上の標準(de facto standard)となって行くと予想されます。しかし、従来「囲い込み」、「差別化」を唱えていた超巨大企業といえどもマーケットが、調達市場がグローバル化している現在、いつまでも「独自EDI」にこだわってはいられなくなっています。

 

3.3.2 BOLERO

BOLEROも当初「接続第一で、内容、方式を問わない」といっていましたが、筆者も含め批判が殺到した結果、多数のXML文書を作成したようです。

ただ、拙速のあまり、国際標準とかけ離れたものを作ってしまった、との批判があるとのことです。将来TEDIともデータエレメントを共通化させる事が出来れば良いと思います。

 

3.3.3 標準化の必要性

一つのトレードチェーンでのみ商売をするパートナーは良いが、多数の相手と多数の方式でやることになるとそれぞれの方式に対応する事は容易ではありません。特に貿易を行う荷主の場合、取引相手のパートナーのみならず、船会社、銀行、保険会社、世界中の行政機関、その他との関係無しには貿易は行えません。それぞれの業界、国、行政機関ごとに異なる方式で電子化が行われると、合理化どころか悪夢となるでしょう。この点を考慮すると国際標準に即した標準化が必須、と言わざるを得ません。

 

 

 

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