日本財団 図書館


・電子署名が本人のものであることを確認し、証明する「認証業務」のうち、法務省令の基準に適合するものについてはこれを認定認証事業者として認定します。(認定が無くても認証業務を実施することはできますし、認定を取得するかどうかは任意であり強制ではありません。同法第4条)

・デジタル署名は紙の文書の署名捺印より安全でしょうか?電子データは簡単に偽造がおこなえます。電子署名を行った場合、その電子文書の作成者が特定されるほか、偽造が困難となる理由として、公開鍵暗号方式によるデジタル署名を施した場合、わずかな改竄も見逃さない、と言われています。前提はキー(公開鍵とペアになる秘密鍵)が安全に管理されていることです。秘密鍵(署名鍵)が盗まれると実印を失うのと同様の危険、いや、盗まれても(解読されたり、管理不行き届きだと盗み見られたりすることになります)相当の被害が出るまで気が付かないことが予想されるので、一層始末が悪い、と言えるかもしれません。各企業の安全面への関心が高まることが期待されます。

・相互主義により、外国との相互乗り入れを図る、としています。

 

3.2.1.2 商業登記法等の一部を改正する法律(平成12年法律第40号)

4月19日公布された同法により、商業登記法、公証人法および民法施行法の一部が改正され、商業登記に基礎をおく電子認証、公証人制度に基礎をおく電子公証等の制度が導入されました。具体的には法務省のホームページに詳細な手続きが説明されています。

1] 商業登記に基づいて法人がその代表登記を電子的に行えるようになります。

電子商取引の場合、送信者はあらかじめ自己の公開鍵を信頼できる第三者に届出、その第三者機関から証明書を入手し、それを相手方に送付します。この法律では、信頼できる第三者機関(TTP)の役割を商業登記所の登記官が担う、としています。

この電子証明書の発行を請求できる者は、商業登記方第12条1項に規定する者、すなわち法務大臣の指定する登記所に印鑑を提出した者、とされています。

2] 電子公証制度

電子私署証書の認証、あるいは電子確定日付の付与制度などが導入されます。これらは、船荷証券を電子化する、と言う場合に問題となっていた議論、すなわち電子的な権利移転の法的根拠が債権譲渡であるか、更改であるか、いずれの場合も確定日付のある文書でするのでなければ第三者に対抗できない、といった議論に終止符を打つことが出来ると期待されます。

また、同法は認証を受け、または日付を付した情報を保存し、その内容を証明する制度を設けることとしています。

・同一性の証明

同一性の証明を行うためには付与された時点での情報からハッシュ関数によって圧縮された値(ハッシュ値)を取り、請求の有無にかかわらず保存されます。請求があったときには、請求者が保有する情報のハッシュ値と同一であることを証明します。(民法施行法7条1項、公証人法62条ノ7第3項1号)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION