2.2 TEDI
2.2.1 最近の経緯
通商産業省(現在の経済産業省)の平成10年度の第三次補正予算事業として開始された「貿易金融EDI実地検証プロジェクト」(以下略称「TEDI」)は、1年の準備期間を経て昨年夏に実施され、終了しました。
そのプログラムは、「ワークフロー」という考えを取り入れており、ユーザー企業の社内における業務にまで踏み込んで作成されています。仮に、TEDIで用意された標準的な企業内の組織モデルやワークフローをそのまま利用してもかまわない、という企業であっても、取引の相手先を登録したりすることに予想以上の手間と時間を要する模様です。BOLEROのように何も用意しないのとどちらが良いか議論のあるところかもしれません。
2000年11月14日にTEDIクラブが設立され、現在60社/団体が会員となり、これを母体に事業会社の設立に向けて準備中です。なお、認証機関に関しては既存認証局の利用を予定しているので、主として「信頼された第三者」(Trusted Third Party)としてのRSP(Repository Service Provider)が主要な議題となっています。
なお、TEDIクラブは以下の部会を設置し、活動を開始しています。
・企画部会:クラブ全体の運営に関する事項
・規約部会:EDI協定書、RSP約款、CA約款等を検討
・技術部会:技術的な事項の検討、及び実地検証実験中、あるいはその後に提起された改善要望がどのように実現されているかの検証を行う
・標準化部会:標準化に関する事項の検討
・普及部会:広報宣伝・普及に関する事項の検討
2.2.2 標準化
インボイスや船荷証券など、頻繁に用いられる主要な貿易文書30について、国際標準としてのUN/EDIFACTに基づいてXML文書を作成しています。(一部銀行関係文書はUN/EDIFACTではなくSWIFT標準に基づいています。)
なお、XML自体が発展途上にあり、標準化の行方を見守る必要があります。国連CEFACTとOASISグループが検討中のebXMLが予定された期限内にどのような最終成果を出すか、です。なお、実地検証中の問題として、XML文書が無闇に大きくなる、ということがありましたが、これは標準化の問題、というよりXMLの使い方に原因がありそうです。
今後とも海外の動向に注意を払いつつ、調整が行われて行くものと思われます。