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1.2 電子化する上での問題点

 

1.2.1

関係者、関係する業界が多く、すべてのトランザクションを一斉に電子化できないので、どうしても紙の書類と電子手続きの平行期間がかなりの期間続くと予想されます。

 

1.2.2

民間同志のレベルにおける権利移転ができるだけでは効率化はそれほど進まず、官庁(外国官庁を含む)との事務をも電子化しなければなりません。国内・海外税関との事務を始め、原産地証明書その他の証明書もいずれ電子化されることを期待しています。

 

1.2.3

上記のいずれも(対官庁、対民間)データ交換を行う上でのルールや文書のデータ要素(Data Element)を標準化した上で取り進めたいのですが、標準化特有の困難(後述)があります。

 

 

2. 電子化の試みと評価

 

昨年度までの報告書に、様々な電子化のプロジェクトに関する報告を載せておりますので、今回は最近の2つのプロジェクト、BOLEROとTEDI、について簡単に触れておきたいと思います。

 

2.1 BOLERO

 

2.1.1 最近の経緯

BOLEROは1999年9月に商業化宣言をおこないましたが、その後現在までに加入した企業数はそれほど多くありません。これは、電子化の困難さとも絡む問題で、試みが大きければ大きいほど、実現には時間がかかり、短期間でのメリットが享受し難いこと、電子化のメリットを追求する上で、トレードチェーンを構築し、自ら強いドライビングフォースを持たなければならない点があり、BOLERO固有の問題とは言えないでしょう。

 

 

 

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