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すなわち、XMLをインフラストラクチャとして、国境を越えたインターネットの上で電子ビジネスを展開できるようにするためには、図4に示すように「意味情報」と「システム構成要素」の標準化の両方を推進して行く必要があります。

XMLの仕様が公表されたとき、多くのユーザやITベンダーはそのEDIへの適応性に注目し、各種のタグ辞書やXML補完技術を使用したXML/EDI実装方式が提案されてきました。しかしながら、それらは相互運用性がなく、このままではWeb上で展開される情報交換がバベルの塔と化し、将来的なeビジネスの発展が阻害される危惧がでてきました。

そこで、1999年11月に、XMLベースの電子商取引の発展に意欲を燃やし、そしてその混乱に危惧を持ったユーザ団体、ITベンダーおよび標準化機構が参加しXMLの電子商取引への実装標準化に着手した。それがebXMLイニシャチブである。

 

3. ebXMLイニシャチブ

XMLベースのオープンなインフラストラクチャを提供し、互換性のある安全なグローバル環境下で、すべての市場参加者がe-ビジネスの情報を利用できるようにすることが、ebXMLイニシャチブの使命です。

ebXMLイニシャチブは、United Nations body for Trade Facilitation and Electronic Business (UN/CEFACT)およびOrganization for the Advancement of Structured Information Standards (OASIS)が協同で開始した、XMLビジネス仕様を標準化するためのグローバルなプロジェクトです。すべてのe-ビジネス・データを安全に交換するためにXMLを効果的に利用する技術的なフレームワークを開発するため、XML仕様を検討している企業グループなどに対して、18ヶ月間のプロジェクトに参加するよう呼び掛けて当該イニシャチブが誕生しました。ebXMLの主な目的は、電子商取引振興のため、特に中小企業や発展途上国などがe-ビジネスに参入するときの障壁を低くすることです。

UN/CEFACT(www.unece.org/cefact)は、e-ビジネスの促進およびe-ビジネスに関するグローバルなポリシーや技術仕様の制定を目的として設立された国連の組織です(本部はジュネーブ)。これまでにUN/CEFACTはグローバルなe-ビジネスの便宜を図るための各種標準(国際的なEDI基準であるUN/EDIFACTなど)を開発しており、現在はシンプルEDIやオブジェクト指向EDIなどに注力しています。また、e-ビジネスに関するオープンで相互運用可能なグローバル規格の普及を強く推進している組織でもあります。

OASIS(www.oasis-open.org)は非営利の国際コンソーシアムで、IT製品に依存しないデータ/コンテンツ交換手段を専門に研究しています。OASISはIT製品間の相互運用性に重点を置きながら、様々な構造化情報標準(XML、SGML、CGMなど)を開発してきました。

 

 

 

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