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まずは、XML文はあくまでテキスト(文字)で記述されている文字列で、それをアプリケーションで利用し易い形(ファイル)に変換する必要があります。そのファイルの形式またはファイルとの出し入れのインターフェイスを標準化しておくと、いろいろな異なったアプリケーションが独自のインターフェイスを作らずにXML文を参照できることになります。その代表的な形式がDOM(Distributed Object Model)です。

 

次に、XML文は図2で例示したように、文法が分かれば解釈することは容易ですが、けっして人が見やすいものではありません。そこで、HTML文をブラウザー画面に美しく表示できると同じように、XML文を画面表示させるための編集タグを定義する必要があります。この画面表示のためのXMLの拡張定義の標準がXSL(eXtencible Stylesheet Language)です。

更に、XML文が使われるアプリケーションはインターネット上の情報と自由にリンクすることで、Webアプリケーションとしての特質を十二分に発揮することができます。そのために、XML文から他のURLやXML文にリンクする方式の標準化も進められています。それがXLINKです。

現在標準として参照できるXML構文のDTDには、「整数」とか「ブーリアン」とかのデータに関するタイプを厳密に定義する規則がありません。それらデータ・タイプの詳細と、更に複雑な情報構造を表現するための次世代DTDの開発が進められています。それはXMLスキーマと呼ばれています。また、静的な情報交換にとどまらず、アプリケーションを実行するときのワークフローやビジネス・プロセスにおけるシナリオ等の情報を電子商取引当事者同士で交換する必要がでてきています。そのために、それらビジネス・プロセスの動的行動定義やその中で使用される情報構造を含めて表現できるモデル言語(UML: Unified Modeling Language)で記述されたビジネス・モデルをXMLで交換するためのXMI(XML Metadata Interchange)も提案されています。

 

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図4 XML実用化の鍵は標準化

 

 

 

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