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すなわち、Webブラウザーで表示された注文書画面は人の目で確認し、人が判断して受注確認ボタンを押してサーバーに回答します。従来の自動化されたEDIでは、注文メッセージは受注アプリケーションに渡され、受注確認メッセージを返送する他、注文後の処理(出荷指示や受注管理など)に連動していました。Web-EDIのクライアント側では、注文画面の情報を、人手によって後続のアプリケーションに繋げなければなりません。もちろん、HTMLで記述された情報もプログラムを作ることによって自動処理の対象にすることもできます。しかしながら、それらのプログラムは表示画面レイアウト依存のものとなり、表示画面固有のプログラムを準備しなければなりません。もし、複数の取引相手がそれぞれに固有の表示画面を送りつけて来たときには、それぞれの対応プログラムを開発し、保守して行くことが必要になるのです。

そこで注目されたのが、HTMLの代わりにXML(eXtensible Markup Language)を利用するXML/EDIです。XML/EDIによって、従来型のEDIで実現してきた企業間アプリケーション同士の自動情報交換を可能にし、且つWeb-EDIの手軽さで安価に容易に導入が可能なeビジネスの実現が期待されています。

 

2. XML/EDI

 

XMLは、1998年2月にW3C(World Wide Web Consortium)によってその構文規則の第1版が公表された、Web向けの情報表現形式メタ言語です。HTMLと異なり、送受信される情報をブラウザ表示以外のコンピュータ・アプリケーションでも処理可能とするために、情報の構成要素であるデータ要素それぞれにタグを付けることで識別し、且つそれら情報の構造を定義できるようにしてあります。

 

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図2 XML文書構造の例

 

 

 

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