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3. 電子貿易取引ルールの模索

 

3.1 国連勧告第5号の改訂

 

国連CEFACTは、2000年3月に開催された第6回総会において、国連勧告第5号「インコタームズの略号」、第19号「輸送モードコード」、第21号「貨物形態、荷姿、包装資材コード」および第24号「貿易および輸送のステータスコード」の改訂案を承認し、また新勧告第28号「輸送手段タイプコード」および第31号「電子商取引協定書」を承認しました。

ICCの「2000年インコタームズ」(ICC Publication 560)が2000年1月1日に発効となりましたので、国連勧告第5号「インコタームズの略号」25が改訂されました。「2000年インコタームズ」に収録されている定型取引条件(trade terms)は、表1に示すように、工場渡条件(EXW)から関税込み持込渡条件(DDP)までの13種類で、「1990年インコタームズ」(ICC Publication 460)と全く同じです。

国連勧告第5号「インコタームズの略号」(1974年、初版)は「1953年インコタームズ」に収録されている9種類の略号を載せていましたが、インコタームズの改訂のつど、1980年と1990年に改訂され、今回その第4版が採択されるにいたったのです。2000年インコタームズの13種類の定型取引条件(略号)は1990年インコタームズと全く同じです。勧告第5号の付属書2に、2000年インコタームズが掲載されています。また、2000年インコタームズには、定型取引条件を4類型に分類しています。さらに、輸送形態別に使用に適する定型取引条件を説明しています。これらは、勧告第5号の付属書3に掲載されています。そこで、付属書2および3に掲載されているものを一つに纏めて、表1を作成しました。

 

 

3.2 インコタームズの改訂理由

 

3.2.1 情報通信技術の発展

1990年に全面的に改訂を行った理由がインコタームズの序論の冒頭に述べられています。この要旨は、2000年インコタームズの序論にも強調されています26

 

25 RECOMMENDATION No.5, "ABBREVIATIONS OF INCOTERMS; Alphabetic Code for Incoterms 2000," 4th edition, Geneva, May 2000, ECE/TRADE/259.

26 2000年インコタームズ、「序論」2.なぜインコタームズの改訂が必要か?

 

 

 

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