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1.4.2 国連勧告第12号(改訂版)

国連ECE/WP.4は、1993年3月第37回会期において、上記の勧告第12号(改訂版)を採択し15、次のとおり勧告しています。

 

「1. 船舶所有者、荷送人、荷受人、銀行、保険会社および海上運送関係者を含む国際貿易関係者においては、以下に述べる簡易化方策を受諾すべきこと。

2. 各国政府、関係国際機関、各国貿易手続簡易化機関においては、簡易化方策を承認の上、この導入を促進し、かつ当勧告の実施活動に関する報告書を提出すること。

・勧告:海上運送書類の手続簡易化のための方策

商取引当事者は、

1] 運送途上で物品の売買が行われる場合を除いて、船荷証券に代えて非流通性の海上運送状(Non-Negotiable Sea Waybill)の長所を認識し、かつ海上運送状の使用を促進すること、

2] 商取引にとって必ずしも必要でなく、しかも付随的な不利益が考えられるときに、流通性船荷証券を使用することの短所とコスト、および船荷証券の原本未着の場合における銀行補償状(Bank Letter of Indemnity)と引き換えに仕向地で貨物を受け戻す危険を認識すること、

3] 船荷証券の裏面約款について「リファレンスの方法で」(by reference only)、簡略化された運送書類または裏面白紙の運送書類(short form/blank back document)を運送人がしようすることを奨励すること、

4] 流通性船荷証券またはその電子的等価物は、物品が運送途上で転売される場合にのみ要求すること、

5] 流通性書類に対する詐欺防止策の一環として、海上運送書類は、オリジナル1通のみ発行するのが賢明である旨を考慮すること。」

 

2. 海上運送書類のEDI化への取組み

 

2.1 非流通性運送書類のEDI化

 

前述のとおり、コンテナによるユニット・ロード・システムの導入、コンテナ船による高速輸送が実施された結果、貨物が仕向港に到着しても、船荷証券未着のために、貨物の受戻しができずに商機を逸するといった、いわゆる船荷証券の危機説が生じました。

 

15 UN/RECOMMENDATION No.12/Rev.1, "Measures to Facilitate Maritime Transport Documents Procedures," TRADE/WP.4/INF.123, June 1993.

 

 

 

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