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2.5 電子署名、クロスボーダー認証および認証機関の機能

 

Klaus BrischおよびBritta Brisch両氏は、電子署名のクロスボーダー認証の基準についてプレゼンテーションを行いました。Klaus Brischは、LWGが、電子署名のクロス認証のための枠組みの基本的(最低)条件(「認証機関を認証する」最低基準)を勧告することを提案しました。両氏は、固定した技術的標準よりも、一種のガイドラインを考えていることを強調し、また、各国が、双務協定によって、相互に認証機関の証明を承認する方法を選択できると説明しました。

David Marsh氏は、提案されたようなクロスボーダー認証標準を設定すると、認証機関を締め付けることになるであろうこと、また、これによって、異なる認証機関の発行した電子署名の間に差別を生じることにもなろうとの意見を述べました。Marsh氏は、もしLWGが、このような提案にもとづいて、クロスボーダー認証標準に関する勧告を起草するならば、電子署名の法的確認に最小限の共通性を適用しているコモン・ロー諸国に対して困難な問題を提起することになるであろうとの考えを述べました。しかし、LWGが電子署名の「特性を評価するためのガイドライン」(guidelines for assessing the quality)を準備するならば、このような心配事はほとんど解消するであろうという点について、同氏完全に了解しました。このようなガイドラインは、絶対的な基準とすべきではないという意見がありました。

LWG議長は、次のように問題点を整理しました。LWGは、いろいろ問題があるので、KlausおよびBritta Brisch両氏の作成した文書に基づいて、クロスボーダー認証標準に関するLWG勧告を起草するか否かを決定するのは、現段階では難しいことを確認しました。議長は、この勧告が登録機関を特定の署名の形式に限定しないという見解を述べました。LWGは、電子署名に関するUNCITRALの作業に協力する可能性を検討するとのことです。

 

2.6 ebXML取引当事者協定書

 

CSGは、LWGが「ebXMLモデル取引当事者協定書」(ebXML Trading Partners Agreement)を検討し、ebXML議長に報告するように要請しました。北米LWGもまた、この文書を検討するとのことです。

 

 

 

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