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・ドイツのデジタル署名法の現状

・デジタル署名に関する欧州委員会指令(European Directive on Digital Signatures)をドイツに導入するための法律

・新規の立法

・ADR(alternative disupute resolution)への取組み

 

ドイツは、欧州委員会指令に基づいてデジタル署名法を承認した欧州連合の最初の国でありますが、セキュリティ面を強化するために、来年は同法の改正を予定しています。この改正によって、電子署名の法廷における証拠価値は一層高まるであろうとのことです。現在、ドイツ・テレコム(Deutsche Telecom)およびポスト(the Post)の2社が認証機関として認可されています。さらに2つの認証機関が認可される予定です。“the author”の身元確認を証明する電子式「書式」(electronic “text form”)が制定されるようです。

デジタル署名に関する欧州委員会指令に基づいたヨーロッパ標準に合わせることにより、認証機関を認可するための技術的要件がかなり緩和されたとのことです。ドイツ商工会議所は、小委員会を設置してADR(選択的紛争解決条項)に関する検討に着手しました。

 

2.2.3 英国の最新情報

この1年間に英国ではかなりの数の法案が提出されましたが、予定されている一般選挙前に、電子商取引法案が提出される計画はありません。電子署名法(Electronic Signature Act)が承認されましたので、これによって電子商取引は促進されるでしょう。しかし、2000年10月30日に発効した調査権限法(Investigative Powers Act)の規制について、英国のeコマース業界は、同法が潜在的に若干の困難な問題を投ずるものであると批判しています。人権擁護者は、同法について、プライバシー問題および(調査当局に対して暗号鍵に関する情報を提供する義務の故に)自己負罪(self-incrimination)の問題があることを指摘しています。

 

2.2.4 イタリアの最新情報

1997年3月、イタリアでデジタル署名法が通過しました。同法は、デジタル署名のみを承認するもので、電子署名は認めていません。イタリア司法当局は、イタリアの法律が優れており、デジタル署名に関する欧州委員会指令がイタリアのデジタル署名法との調和を図って改正されることを望んでいるとのことです。現在、イタリア法の下に8つの認証機関が設立され、認可を受けています。

 

 

 

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