日本財団 図書館


4-3-2 フィリピン航海技師協会(Philippine Association of Naval Architects & Marine Engineers: PANAME)

 

フィリピン航海技師協会は、航海技師の専門職としての位置付けを高め、また、造船および修繕の方法を近代化するスキームを提案するために設立された。協会ではさらに、航海中の人命や財産の安全、海洋環境の保護を促進するための現実的な基準の策定についての調査も行っている。協会の目的は、政府および海事業界との協力の上、海事保全トレーニングプログラムを策定し、業界の安全意識を高めることにある。

 

4-3-3 フィリピン船舶登録局(Philippine Register of Shipping: PRS)

 

フィリピン船舶登録局は、あらゆる種類の船舶や構造物(Contrivances)の設計、建造および検査に関する規則・基準を制定、開発、管理する部門である。船舶登録局では、定期的および特別調査、PRS分類による船舶の証明書の発行および失効日のチェック、他の海事関連政府機関の業績評価などをフィリピン政府あるいは外国政府の許可によって実施する。

 

4-4 造船業界の展望

 

4-4-1 造船部門の開発

 

政府は船舶のスクラップ&ビルト、船舶建造融資計画、内航船近代化計画等のプログラムを積極的に推進することで、新造需要と船舶解撤の能力が徐々に増大することを期待している。短期的なビジョンでは、5,000GTまでの小型船の建造に焦点があてられ、その後50,000GTクラスの中型船建造が可能な能力の増強を図る。

 

4-4-2 修繕事業に対する需要増大

 

船舶修繕に対する需要は今後益々増えることが期待される。東アジア地域における海運活動の増大とともに、特に老齢化しつつある内航・外航船舶に対する修繕需要が増大するであろう。しかし、中国における修繕能力が急激に伸びており、競争は激しくなると考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION