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2-3 インドネシアの港湾

 

インドネシアは1万7,000以上の島から構成されており、国内輸送、国際輸送ともに海運が重要な役割を占める。しかし、前述のような海運業者が抱える問題のほか、港湾インフラにも問題を抱えている。INSAの事務局長、Barens Th Saragih氏によると、「インドネシアには、国際交易に開放された港が130あるが、そのうちバルク船が利用できるのは3港しかない。」6という。そのため、小型船でシンガポールやマレーシアの港に持ち込み、積み替えている。こうしたことが、インドネシアの海運コストを競争力のないものにしているという。また、不充分なインフラに加え、インドネシアでは港湾局が直接、港湾労働の管理をしており、陸揚げ・船積みに要する時問が長い。そのため、船舶はバージの空きを何日も待たなければいけないこともあり、海運業の効率を悪化させている。

さらに、アジア諸国では港湾の民営化がすすみ、競争は激しくなっている。こうした中、インドネシア政府も港湾の一部民営化に踏み切り、1999年に国有港湾公社PT Pelabuhan Indonesia (PELINDO) IIが管理するTanjong Priok港のジャカルタ国際コンテナターミナル(JICT)の株式51%を香港のHutchison Groupの子会社Grosbeakに、PELINDO IIIが管理するスラバヤのTanjong Perak港スラバヤ国際コンテナターミナルの株式49%をオーストラリアのP&O社に、コンセッションベースで売却した。JITCの発表によると、民営化直後の5ヶ月で、生産性が28.5%上昇し、1999年の売上は2億米ドルを記録した。また、スラバラの港を管理するPERINDO IIによると、民営化により、1999年の税引き前利益は、1998年の4,000万米ドルから1億3,500万米ドルヘと上昇した7。政府は、その他の主要港(メダン、ウジュンパンダン)の民営化も計画中である。ジャカルタ国際コンテナターミナルを運営するHutchison International Port Holdings社は、今後数年間で2億5,000万ドルを投資し、ジャカルタのKoja Termina 3を開発する予定である。この第3ターミナルが完成するとジャカルタ国際コンテナターミナルの貨物取り扱い能力は年間180万TEUとなる8

 

6 Lloyd's List International 2000年9月28日付け

7 LIoyd's List International 2000年3月20日掲載

8 Lloyd's List International 2001年2月2日掲載

 

 

 

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