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たしかに大手オペレーターは力を強めている。

・1998年には中長距離航路では大手4社で貨物・旅客輸送を独占し、短距離航路では貨物の72%、旅客/乗用車の45%を同じ4社が占めた。Attica(Superfast + Strintzis)がMinoanとANEK/NELからトップの地位を奪おうと迫っている。4社はいずれもアテネ証券取引所の上場企業で、投資家の大きな関心を集めている。中短距離航路に配船している中小オペレーター8社の今後が危ぶまれる。

・輸送量の半分は現在、北イタリア、その他ヨーロッパ各地を直接結ぶ中長距離航路が占めている。これら中長距離航路(約600海里)を航海時間24時間に停泊時間を見て2日で往復するには28ノットの船速が要求される。

・1996-98年には旅客/乗用車の輸送量は停滞したが、トレーラ輸送量は年率7-8%で伸びた。1993-96年はバルカン諸国の紛争と旧ユーゴスラビア経由の自動車道路の閉鎖により、旅客数はほぼ倍増し(乗用車は倍以上に伸びた)、RoRo輸送量は140%増大した。

 

g. ギリシャ国内

輸送量

1997年のギリシャ国内の総海上輸送量を水域別に分けた統計を下表に示す。

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*) Argossaronikosを除く。

 

クレタ、ロードス両島関連航路が中長距離航路(それぞれ170、260海里、現在の所要時間は11、19時間)の輸送量で圧倒的な比重を占める。これらの航路に現在配船されている21隻のフェリーはそれぞれ旅客定員1500名、甲板積載能力600LM、建造年は1972年前後。唯一の顕著な例外は1979年建造のANEKの1700LM型RoPax2隻である。その他の(中小)航路には少数の例外を除いて比較的小型のフェリーが配船されている。

 

運航会社の市場シェア

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最近の展開

ギリシャは内航海運の開放について2004年まで、EUから5年間の適用免除を受けており、国内船主はその間に態勢の整備を進めるものと見られる。これまでに代替が行われたのは高速フェリーのみで、主として乗用車積載能力が皆無であるか限られたものとなっている。Minoan Linesはクレタ島向け国内航路用に1560LM型、旅客定員2,200名のRoPax2隻を発注した。

 

 

 

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