日本財団 図書館


マッケイン上院議員のジョーンズ・アクト反対は地元選挙区がらみのものではない。ジョーンズ・アクトに対する疑問は、彼の信念から出たものである。海事案件についての審議権を有する上院委員会の委員長としての立場から、立法プロセスに甚大な影響力を有しているが、それにも限界がある。第105期議会でマッケイン上院議員はクルーズ船改革法案を押したが、その影響力も委員会の外には及ばなかった。S. 1510は通商委員会を通過後、上院規則と上院リーダーの関心不足から、立ち往生となった。

以下にジョーンズ・アクトに関するマッケイン議員の主要なコメントを掲載しておく。

 

コメント1:

「どのような障壁であろうと、それが貿易にもたらす影響に対して非常に懸念している。米国が貿易障壁を維持することにより、諸外国が障壁を設け、または障壁を維持するのを勧めているようなものである。米国はどの分野を選んでも、そこで競争するだけの力を持っている。我が国の産業を保護する必要があるという考え方には、納得できない。ジョーンズ・アクトが米国荷主に、特に水上輸送が唯一の経済的な輸送オプションである場合に、コストを押し上げていることに疑いはない。」

 

コメント2:

「米国軍用航空機製造ベースは米国の国家安全保障に必要不可欠であるという点には、ほとんどが同意するだろう。米国軍用航空機生産量は近年下降線をたどっている。しかし、国内商業航空会社は国内航路において外国製航空機の所有、運航を認められている。国内鉄道輸送業者及び車両輸送業者も、外国製の列車、トラックの利用を認められている。このような信じがたい要件を課されている輸送モードは海運だけである。」

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION