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州立大学時代には、生徒会長に選ばれ、「米国の未来の農業事業者」団体の州プレジデント、及び全国役員に選出されている。

カンサス州の農務長官時代には、ブラウンバック議員は画期的なプログラムを開発し、公費の支出を大幅に減らし、カンサス製品の市場を拡大した。

ブラウンバック議員は、農業議員としては血統書付きであり、米国農業事業者が直面している経済問題の評価の経験豊かであり、農業団体と密接な関係にあることがジョーンズ・アクト改革推進の原動力となった。同議員が法案を推し進めるために使用した議論及び根拠のほとんどが、ジョーンズ・アクトが米国の農業事業者に及ぼす不利についてであった。ブラウンバック上院議員は米国ファーム・ビューロー等の支持を受け、ジョーンズ・アクト内航制限による競争の欠如が運賃を人為的に高騰させていると確信していた。これらのコスト高の影響は農業事業者にしわ寄せがくる。ブラウンバック法案は、競争を高めることにより、これらのコスト高の緩和を図るものであった。

同上院議員が次期議会でジョーンズ・アクト改革についてどのような姿勢を取るかは不明である。現在の政治の風向きを考えると、改革運動が失敗に終わる可能性が極めて強いため、同議員が改革を強く押すとは考えにくい。

 

b) ニック・スミス下院議員(共和党、ミシガン)―改革派

 

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ニック・スミス議員は下院におけるジョーンズ・アクト批判の旗頭である。スミス議員はインディアナ州、オハイオ州と隣接するミシガン州の中心部である第7選挙区を代表する。スミス議員は農業出身であり、農業政策問題に強力なバックグラウンドを持っている。

内航規制が米国の農業に与える不利な影響について、同議員とブラウンバック上院議員の見解は共通している。同議員が提出した法案は、次第に進化し、農業問題にさらに焦点を当てた1998年農業輸送救済法案となった。

興味深いことに、スミス議員は第106議会では法案の提出を行わなかった。これは、同議員が立法上の他の優先事項に専念しようとしたことを示している。同議員のスタッフによれば、同議員はジョーンズ・アクト改革支持の立場は変えていないが、改革案件について真剣な審議が行われるような政治状況ではないと考えている。(2000年選挙で再選)

 

 

 

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