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・米国籍クルーズ船運航者が既に運航している地点間における運航は許されない

・暫定認証を受けるクルーズ船は、適切なエスクロ預入が満たされたとして、少なくとも180日間米国内航に従事した後でなければ、外国籍に転籍してはならない。

・米国所有企業に対する外国投資を奨励するために米国籍クルーズ船の外国所有率の上限を、25%から49.9%に引き上げる。

 

カリフォルニア観光部が行った研究はサモンド法案にとって追い風となった。カリフォルニア貿易通商局観光部はカリフォルニア州の旅客クルーズの経済的影響を分析したものである。同研究によれば、カリフォルニア州クルーズ産業の事業収入は35%という目覚しい成長を示し、2003年には総額960億ドルを上回ると予測された。同研究はまた、カリフォルニアのクルーズ船寄港が1996年の500回から2003年には1,330回へと166%増を示すと予測していた。さらに4,140万ドル、58%の税収増が見込まれ、連邦政府の増収分は3,000万ドルとなった。

観光収入の見込みにつられて、クリントン行政府は外国籍クルーズ船使用を解禁するサモンド-サンフォード法案を受け入れる方向に傾いていった。ジョージア州サバナのプロペラ・クラブにおける講演で、チャールズ・ハニカット航空国際問題担当運輸次官はクリントン行政府が状況を認識していることを確認した。内航貨物輸送業者は、内航クルーズ規制緩和が市場の現実を反映したものというよりは、ジョーンズ・アクトという千丈の堤をやがて崩す蟻の穴となると信じ込んでいるため、これを畏れているのだ、と同次官補は述べている。

同次官補は行政府がこの2件を別個のものとして切り離して考えいているとし、海運産業の「それぞれの部門における政策は、それぞれの部門で益とならなければならない」と述べた。ジョーンズ・アクトについては、「現在の廃止の動きは当を得ていない」と手の内を見せた。

サモンド法案支持の公式決定はなかったが、ハニカット次官補は当局が、旅客船法が「クルーズ船産業の現在の構造と市場の現実に照らし合わせても意味をなすかどうか」判断を試みながら、同法案に「取り組んで」いると語っている。

1998年4月29日、下院USCG・海運小委員会は、クルーズ船産業に課された制約の自由化を検討するための公聴会を開催した。

 

 

 

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