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主要な論点は、議会は外国籍クルーズ船の米国港湾アクセス制限を廃止すべきかどうかという点にあった。旅客船サービス法では、外国籍船舶は米国港湾に連続して入港することを禁じられている。この種の内航は米国籍、米国運航、米国人配乗、米国建造クルーズ船に明白に留保されている。サンフォード及びサモンド法案は米国籍船舶サービスがまだ存在しない米国港湾のサービスに外国籍船舶の使用を認めるものであった。

サウスカロライナ及びアラスカ州の地元観光団体、港湾管理委員会、クルージング・アメリカ同盟の代表が小委員会に対して、規制緩和による経済効果の可能性について証言を行った。現在の法制では、沿岸地域の中央部に位置する港湾は、典型的な顧客の需要に合わせるためには航行時間が長すぎるため、クルーズ船による利用は少なかった。クルーズ船の往来の多い地域では、外国港湾への寄港が義務づけられているため、当該クルーズ旅行に関連した収入のうち、不均衡に大きな部分が外国港湾に落とされている。外国籍船舶が米国の港湾に連続して寄港できるようにすれば、予測される短期クルーズ需要を刺激し、総体的な米国港湾間運航の増大につながる。サモンド上院議員は小委員会で支持派の議論の多くを繰り返した。ケイ・ベイリー・ハッチンソン小委員長は米国クルーズ産業奨励一般には支持を表明したが、サモンド法案支持には至らなかった。

公聴会では、AFL-CIO(アメリカ労働総同盟産業別会議)の海事部門が証言を行った。同労組代表は、内航を米国籍クルーズ船に留保する代替案を呈示した。労組案は、ジョーンズ・アクト内航従事資格のない米国所有船に、米国造船所でクルーズ船を新造し、3年以内の引き渡しで契約することを条件に内航クルーズ従事許可を与えるというものであった。提案には、クルーズ客一人当たり一日10ドルの料金を課し、エスクロ口座に預入して、それを設計コストと契約署名時の前払い金に充てるという案も含まれていた。当該クルーズ船社が定められた期間内に建造契約を結ばなかった場合は、この基金はタイトルXI融資保証基金として没収される。

労組提案には、この他にも次の要素が含まれていた。

 

・改造、アップグレード工事、修理、保全工事はこれをすべて米国造船所で行わなければならない

 

 

 

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