日本財団 図書館


このような商船隊を開発し、その維持を奨励するために必要な手段を講じるというのが、米国の国策である。(ジョーンズ・アクト 1、46 U.S.C. 861(1993))

ジョーンズ・アクトのセクション27は、沿岸航路に従事する船舶の所有者を米国市民、米国企業に限定することにより、外国船舶を排除する1817年1月制定法による長年の方針を踏襲している。

 

(ジョーンズ・アクト、セクション27 仮訳)

内航法において規定されている米国特別区、米国属領を含む米国内の地点間における、米国内で建造され、かつ、米国法に基づき登録され、かつ、米国市民により所有される船舶又は本法補遺第808条若しくは第22条の規定により内航従事特権を賦与された船舶以外の船舶による商品貨物の水上また水陸輸送は、直接又は外国の港湾を経由するかに拘わらず、及び当該輸送経路のいかなる部分においても、当該商品貨物没収(又は財務長官の判断による価値を上限とする罰金の徴収、又は送り手、売り手、所有者、輸入者、受取人、代理人、当該商品貨物を輸送する又は輸送を指示した一人又は複数の個人からの実際の輸送費に相当する額の徴収、の何れか高額の方)の罰則を持ってこれを禁ずる。

「外国港湾経由」の文言は、「米国対250ケッグ(約11.25トン)の釘」2の判決の後、それ以前の法律に付け加えられたものである。ニューヨークからベルギー船でアントワープまで輸送され、そこで英国船に積み替えてカリフォルニアまで輸送された釘の没収を政府が試みたが、当時の法律には「直接又は外国の港湾を経由するかに拘わらず」の文言がなかったために、これが認められなかった。

ジョーンズ・アクトは、法律の起草の方法としては模範的とは言い難く、オリジナルは上記のたった1項しかなく、その後これを修正する但し書きを次々に付け加えていったものであるが、同法の要は上に引用した条文である。次にジョーンズ・アクトの但し書きの条文を示すが、整理のために、[]内に番号を付け加えた(番号は[2]から始まる)。

2 52 F. 231(S.D. Cal. 1892), aff'd, 61 F. 410(9th Cir. 1894)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION