失敗に終わったマサチューセッツ・ヘビー・インダストリーズ/クインシー造船所プロジェクト
1995年にマサチューセッツ・ヘビー・インダストリーズ(MHI)は、クインシー造船所の近代化・再開プロジェクトのためのタイトルXI融資保証に関して、MarAdに接触した。MarAdは、タイトルXI融資保証を受けるのに必要な財政的健全性をMHIが証明できないと判断した。公法104-324、1996年USCG予算権限法により、運輸長官はタイトルXIの財政上の健全性要件の適用免除を命じられた。同法に従い、1996年11月1日、MHIは造船所の再開・近代化資金に対して5,500万ドルの融資保証を承認された。
MHIは1999年6月1日に155万ドルの利払いを怠った。MHIの要請と融資機関であるフリート・バンクの同意により、MarAdは支払期限を1999年12月1日まで延期した。しかし、1999年12月1日に、MHIは6月1日に滞納した分はもちろん、保証を受けた融資に対して次に支払を定められていた210万ドルも滞納したのである。
MarAdは、支払期限を2000年2月末まで延長したが、MHIは支払に充てるために必要な融資も、造船所工事の完了に必要な融資も獲得することができなかった。その結果、タイトルXI融資保証に従い、融資機関はMarAdに支払いを求め、2000年3月25日にMarAdは融資機関側の要請を認めて債務不履行となった(元利合わせて)5,910万ドルの支払を行った。MarAdは資産の一部を差し押さえることに成功し、1,200万ドルの第三者寄託金勘定を利用して、損失の一部を回避したが、MHIプロジェクト失敗を巡ってタイトルXIがネガティブに印象づけられ、同プログラムの前途はにわかに厳しさを増したのである。