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承認された融資保証の約85%が、内航向け船舶に関連したプロジェクトである。残りは輸出船プロジェクトであるが、融資保証を承認されたものの、実現には至らなかったものもいくつかある。

2000年年央現在で、MarAdの承認待ちとなっているタイトルXI融資保証申請が20件存在した。これらの申請のプロジェクト総額は32億ドルである。申請の多くは長期にわたって放置された状態になっており、承認される見込みは薄い。

 

1994会計年度以降に承認されたタイトルXI融資保証

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元来、共和党はタイトルXIプログラムのような産業支援策には消極的な態度をとってきており、1981年にレーガン政権が発足した際、最初に削減されたのは、海事プログラム予算であり、この時、船舶購入資金の連邦債務保証プログラムも縮小された経緯がある。現在のタイトルXIプログラムは、クリントン政権時代に拡充されたものであり、ゴア副大統領(当時)も大統領選挙に際し、海事産業支援策を継続することを明確にしていた。これに対しブッシュ新政権は、今のところ、タイトルXIプログラムを含む海事産業支援策に対する態度を明確にしていない。加えて、最近、融資プログラムの乱用が発覚し、これが大きく取り上げられた結果、タイトルXIプログラムに対する批判が強くなっている(次ページ参照)。タイトルXIプログラムについては、ブッシュ新政権の政策が明確になるに従い、あるいは議会での議論によって、今後、縮小を含めた制度の見直しが行われる可能性が高い。

 

 

 

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