1984年海運法はまた、貨物を統合することにより小口荷主が大口荷主が受けているのと同じ利益とスケール・メリットを受けることを認めていた。貨物を取りまとめる業者は「通運業者(フレートフォワーダ)」と呼ばれる。1984年海運法ではまた、非船舶運航業者(non-vessel-operating common carriers: NVOCC)が同じ航路に従事するその他の海運会社(キャリア)と同じ規則にしたがって事業を行うことを認めていた。NVOCCは、他の船主が所有、運航する船舶上のスペースを借り、顧客の荷主に付加的サービスを提供することにより混載輸送(コモン・キャリア)サービスを提供する会社である。
1998年海運改革法
1998年海運改革法(OSRA)(公法105-258)は、1984年海運法を改正し、外国海運における競争と米国輸出を奨励するものである。OSRAに盛込まれた改正は、1999年5月1日に発効した。OSRAの目的は、外航海運制度の近代化と、米国製品、商品の輸出拡大であった。
OSRAは外航海運において海運会社間の競争を強化するために、いくつかの重要な分野で1984年海運法に改正を施している。OSRAは、海運同盟に加盟している海運会社が、運賃(レート)を協議、設定し、効率向上のためのその他の協定を結ぶことに対して、反トラスト法の適用を免除している。OSRAは海運会社のFMCへの運賃率(タリフ)申告義務を廃した。その代わり、海運会社(キャリア)はオンライン・ファイリング・システムにより運賃率(タリフ)を公開することが義務づけられた。しかし、OSRAはFMCに運賃率(タリフレート)を継続して施行することを義務づけている。
OSRAの最も重要な条項は、海上輸送に「非公開契約」を認めたことである。OSRAは、海運会社(キャリア)のサービス契約(バルク貨物、林産物、リサイクル金属スクラップ、新車、廃紙を除く)のFMCへの申告義務は維持した。FMCは、契約の条件の特定の一部(品目、量、契約期間、契約によりカバーされている米国港湾レンジ等)は継続して公開する。しかし、最も重要な改正は、契約に含まれる海上輸送の運賃(プライス)は、FMCによって公開されないことである。
海上輸送の非公開契約条項を強化するために、OSRAはまた、海運同盟が次の行為を行うことを禁じている。