日本財団 図書館


この売却でNOLは1億7,500万ドルの純益を得ることができ、さらに売却後もアポロから従来APLが行っていたと同じ質の輸送サービスを受けられる確約を取り付けた。

 

ライクス・ブラザーズ

ライクス・ラインの場合はシーランドやAPLと異なる状況下での買収であった。合併のはしりであり1995年10月以来、US Bankrupty Code(破産法)チャプター11会社更生法の破産管理下に置かれ、事業はライクスの名で続けていたが、更生の見込みは薄く、CP Shipsと合併しなければ会社の存続が困難な状況であった。3

ライクスでは3隻のコンテナ船がMSPの助成を受けていたが、MarAdも始めての例でその取り扱いに苦慮し、米国が経営権を握る運航会社に3隻を移して解決しようとするライクスの申出を最初は拒否している。しかしCP ShipsはMSP助成なしでもライクスに買収価値があるとして、1997年7月に買収を強行した。これはAPLがNOLに買収される4ヶ月前であった。

ライクスのMSP問題が解決するのはAPLのMSP問題解決以後である。なお、CP Shipsのライクス買収価格は3,000万ドルであった。

 

ライクスは合併後も独立採算部門として取り扱われており、7隻のコンテナ船、2隻のセミ・コンテナ船、3隻のRO/ROコンテナ船を運航している。もちろんCP Shipsによるグローバリゼーションのための経営指導がなければ、独立採算は不可能であるが、合併後CP Shipsはライクスにヨーロッパ内陸部までの輸送、コンテナ船隊のCP船隊への編入、マネージメントの拡大、ヨーロッパにおけるエージェント活動の再編成、北欧―米国東海岸間のAPL/MOLとのアライアンス、地中海―米国メキシコ湾岸間のTMM/Cont Shipとのアライアンス等あらゆる手段を講じて独立採算を確保しようとしている。

 

3 CP Shipsはカナディアン・パシフィック社の完全子会社である。CP Shipsのコンテナ海運子会社にはCanada Maritime(1984年創設)、CAST(1995年買収)、Lykes Lines(1997年買収)、Contship Containerlines(1997年買収)、TMM Lines(2000年買収)、Australia-New Zealand Direct Line(1998年買収)がある。Lykes Linesは、1999年にCP ShipsとTransportacion Maritima Mexicana(TMM)が50/50で出資し設立した合弁会社であるAmericana Shipsの元で運営されている。2000年3月にCP ShipsはAmericana ShipsのTMM株を買い取ったため、Lykes LinesとTMM Linesのブランドで運航されるサービスは全てCP Shipsの所有下に入った。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION