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膜技術をグレー・ウォーターの分離に利用する場合は、曝気前処理システム及び紫外線後処理システムが必要となるが、現在NSWCCDで評価中の段階である。

グレー・ウォーター膜処理システムは、1/20から1/50の水量減で運転することを目途に設計される予定である。その後、実機を艦に搭載してテストをした後、グレー・ウォーターとブラック・ウォーターの艦内移送システムのテストを実施する。

燃焼機については、グレー・ウォーター、ブラック・ウォーター用の種々の機種について現在データー取得中である。これらのデーター及びコンピュータモデル研究で市販の燃焼機を残留油分の燃焼にも適するように改造し、艦上実機テスト後ILDSに組み込む予定である。

 

以上は米海軍の船上廃棄物処理システム開発の一例であるが、NSWCCDではこれらの開発を企業、外国海軍、国際基準団体等と密接な連絡の下、場合によっては開発の協力を受けながら実施している。1990年代の初期、米海軍は液体排出に関する統一した国内法の必要を痛感し、EPA、USCG、海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)等と協力して艦艇からの排出基準の作成を開始した。この結果、Clean Water Actに第312節が追加された。この第312節は海軍とEPAが協力して統一艦艇排出基準を作ることを認めている。

本基準は未だ未完成であるが、完成の暁には海軍の全艦艇及びUSCGの全船舶に適用される。

 

 

 

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