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* 輸出規制地域と規制内容の限定

 

第1のポイントについては、白書は輸出ライセンス申請から許可までの期間を現行の31〜45日から15〜17日と50%縮める。そのため、DODの審査官を現状の50%増しの33人として、申請の70%を軍人ではなく国防脅威軽減局(Defense Threat Reduction Agency:DTRA)の職員に審査させることとし、さらにライセンス審査期間に上限を設けて25日とすることを提案している。また、DOSとDOC及びDODが共通のデーター・ベースを持ち、共通の判断を得られるようにし、さらにDODにライセンスに関し企業や外国政府から問い合わせを受け付ける担当官を1人配置すること、DODの担当官を定期的に教育すべきこと等を述べている。

 

第2のポイントであるUSMLの改正では、白書はまず既に何等かのルートで世界市場に出回っていたり、現在の世界情勢では明らかに国家安全保障に関係無くなっているものをUSMLから削除すべきことを求めている。その他白書がUSMLのどの技術について緩和を求めているかということは不明であるが、USML自体がDOSの法律であるのでもっとも議論を呼ぶポイントである。

 

第3のポイントに関し、白書は下記5つの協力関係の柱を満足する国に対しては軍事技術の規制緩和を加速する特別扱いを求めている。

* 相互産業安全保障指針

* 相互輸出規制制度

* 法律施行に極度に協力的

* 緊密な情報交換

* 相互のマーケット

 

DODの白書に対する各方面の反応は複雑である。白書の作成段階で航空機産業協会、エレクトロニクス産業協会、防衛産業協会、輸出助成アメリカン・リーグ、同盟国武器調達担当者等がDODに呼ばれ意見を述べている。DOSは、DODから一連の会議に出席を求められたが断っている。一方、DOCはDODの一連の動きに好意的であり、代表者を会議に出席させている。米国の武器製造業者は基本的に武器の輸出が増えるDODの動きには好意的であるが、その動きがあまりにも早いことに不快感を示している。ヨーロッパの武器製造業者も、DODの動きには好意的であるがDOSの同意のないこれらの動きは無意味としている。また、DODに呼ばれたドイツの担当者は、白書が100%実施されたとしても現在ヨーロッパと米国の間に存在する武器輸出に関する全ての問題を解決することにはならないことを指摘している。

 

DODの白書がDOSの承認を得られるかどうか今のところ全く不明であるが、1999年11月はじめ白書は下院武器サービス委員会で公聴会にかけられた。この場で武器生産者は、不十分な改革案が政治の場に持ち出されたことに不満を示し、米国が武器の分野で今後とも国際的に主導権をとっていくためには武器のハードに加え技術そのものを同盟国に提供していくべきことを強調した。

 

 

 

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