新タイトルXIプログラム予算が復活して、MARADには多くの申請が寄せられた。1994年度には新船建造及び造船所近代化7件、再融資5件の、合計12件総額431百万ドルが認可された。
1995年度には、MARADは輸出用外航商船建造プロジェクトに対するタイトルXIの適用を認可した。1996年度と1997年度の合計で認可額は14億ドル、1998年9月30日現在の認可総額は29億ドルで、95船主の731隻の船舶が対象となった。
3-3 技術再投資プロジェクトと先端技術プログラム
技術再投資プロジェクト(TRP)は、軍民両用の技術開発を目的とする次の7つのプログラムより構成されている。最初の4つは技術開発そのものに力点が置かれ、軍用及び商業利用の可能性がある新しい製品、加工技術の開発に関係したプログラムもあって2-3年で商業市場に出せる製品を開発することが目標とされた(参考資料10)。その他のプログラムは、技術の浸透と教育、訓練に力点が置かれている。
* 国防軍民両用重要技術パートナーシップ
DODと関係諸団体の提携関係を確立し、両用技術を開発する。
* 軍民総合パートナーシップ
必要が生じた際に軍用転換が可能な商業技術の開発。
* 地域技術組合支援プログラム
国家安全保障上重要と考えられる国内産業施設を維持するために、地域別組合を創設し両用技術を開発する。
* 国防先端製造技術パートナーシップ
軍民両用の可能性がある先端製造技術の開発。
* 製造拡充プログラム
地域及び地方自治体の実施する製造拡充プログラムの支援。
* 国防両用支援拡充プログラム
連邦国防費に経済的に依存している企業の軍民両用技術開発能力獲得の支援。
* 製造工学教育、奨学金プログラム
既存の製造工学教育の拡充又は新しい製造工学教育課程の創設。
TRPは1994年度から97年度までの4年間で11億9千万ドルの予算が支出されている。ただし、97年度は軍民両用プログラムの名目での支出である。TRPの212の契約プロジェクトのうち、造船業及び舶用工業に関係するものは次の5件に過ぎない。