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現在、インガルス造船、アボンデール・インダストリーズ、NASSCO、ハルター・マリン・グループの4社が第1段階の研究開発契約者として選定されており、これに続く第2段階(詳細設計及び建造)の契約者(2社以上)の選定が2000年末に予定されている。インガルス造船及びアボンデール・インダストリーズがともにリットン・インダストリーズの傘下に入ったことから、T-ADC(X)プログラムにおける競争が緩和され、リットンによる契約受注の確率が高まるものと造船関係者は見ている。

 

リットン・インダストリーズによるアボンデール・インダストリーズの買収が成功であったか否かについて結論を出すのは現時点では時機尚早であるが、株式関係者は概ね好意的な見方をしている。例えばソロモン・スミス・バーニー社は、リットン・インダストリーズの格付けを「中立」から「買い」にアップしている。

買収が決定した当初、唯一の問題と見られていたのが、アボンデール・インダストリーズの労働組合参加問題であったが、これも比較的スムーズに進んでいるようである。アボンデール・インダストリーズは6大造船所で唯一労働組合に加盟していない造船所であり、1993年以来、労組加盟をめぐって労働者側と旧経営者側との間で激しい対立があった。しかしながらリットン・インダストリーズは、買収の際に、労働組合参加問題に中立の立場を取ることを表明したため、労働者側はアメリカ労働総同盟産業別会議(AFL-CIO)金属産業部門への加盟を1999年11月に決定している。

 

 

 

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