インガルズ造船が水上戦闘艦及び揚陸作戦艦艇を、アボンデール・インダストリーズが海上輸送艦及び揚陸作戦艦艇を主に建造しており、ともに非原子力艦艇の建造が事業の柱となっている。また両社ともいくらかの商船工事も手がけている。そう言った意味で、比較的似通った事業分野を有する会社どおしの統合と言えよう。
今後、マーケティング、エンジニアリング、購買管理のような分野で組織の整理が行われる可能性があるが、現在のところ具体的な計画は発表されていない。また現在の2社の手持工事量を考えると、生産部門における従業員削減は当面行われないものと考えられる。
統合による当面のメリットのひとつとして、新クラスの海軍支援艦(ロジスティック艦)T-ADC(X)の建造プログラム受注競争に対する好影響が考えられる。T-ADC(X)プログラムは、耐用年数が近づき老朽化しつつある海軍の給糧艦、給兵艦等の戦闘支援艦に代わる多目的乾貨物輸送特務艦を開発・建造するものであり、2000年末以降6年間にわたって計12隻が発注され、総額約50億ドル超の売上げを生む可能性がある。