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リットン・インダストリーズからの買収提案のわずか1週間後に、アボンデール・インダストリーズの取締役会議はリットン側との協議開始を承認したが、これはいわば当然の選択と言える。

その後さらにリットン・インダストリーズは、当初申し出の1株当たり38ドル(総額5億ドル)の買収条件を、1株当たり39.50ドル(総額5億2900万ドル)に引き上げることに合意した。このため1999年6月1日にアボンデール・インダストリーズは、ニューポート・ニューズ造船との合併合意を白紙に戻し、リットン・インダストリーズからの買収提案を受け入れる準備があることを発表した。ニューポート・ニューズ造船が、これに対抗した合併条件の引き上げを行わないこととしたため、リットンによるアボンデール買収は1999年6月3日に両社合意に達し、1999年8月2日に正式に成立した。

 

リットンによるアボンデール買収の経緯(その2)

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一方、リットン・インダストリーズはニューポート・ニューズ造船に対しても別途合併提案を行ったが、こちらについては「力の集中と反競争的要素」を理由として国防総省としては受け入れられないとの立場をとった。仮にリットン/アボンデール/ニューポート・ニューズの合併が成立すれば、年間売上高37億ドル、従業員数35,000人となり、年間売上高32億ドル、従業員数23,000人のジェネラル・ダイナミクス造船部門(エレクトリック・ボート/バス・アイアンワークス/NASSCO)を上回る造船会社が誕生することになる。

 

 

 

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