(NASSCOの買収)
1998年10月10日にジェネラル・ダイナミクスは、NASSCO(National Steel and Shipbuilding Company;カリフォルニア州サンディエゴ)の持株会社であるNASCO Holdings社を買収し、NASSCOを傘下におさめた。買収価格は3億7,000万ドルであり、加えてNASSCOの4,500万ドルの純負債をジェネラル・ダイナミクスが肩代わりすることとなった。買収当時のNASSCOの手持工事量は約16億ドル、1998年の売上推定高は4億8,500万ドル、従業員数は4,000人であった。
NASSCOは、1905年に小規模の機械工場と鋳物工場を持つカリフォルニア・アイアン・ワークスとして創立され、1945年以降に船舶造修業をてがけるようになった。同社は1970年代〜1980年代初めにかけてアラスカ航路タンカー(最大209,000DWT)や沿岸航路向けプロダクトキャリアを建造するなど、商船建造も多数てがけており、1970年代以降に新造された米国籍タンカーの4割以上が同社の手によるものである。海軍艦艇についても、海上輸送艦、戦闘給糧艦、戦闘支援艦、病院船、駆逐艦母艦等の特務艦や戦車揚陸艦等の揚陸作戦艦艇の建造実績がある。1970年代央以降、各種の改造工事も手がけており、タンカー→軍用病院船、コンテナ船→海上輸送船等の改造実績を有する。また、西海岸最大の造船所として、海軍や軍事海上輸送部隊(MSC)の艦艇の緊急修繕や、タンカー、クルーズ船等の商船の修繕も行っている。1992年にマットソン向け2,000TEUコンテナ船を引き渡した以降は、NASSCOは海上輸送船の建造を中心とした海軍艦艇の造修工事に専念している。
NASSCOは1979年以降、Morrison-Knudsenが所有していたが、1989年に同社の従業員が従業員持株制度を通じてこれを買収し、従業員所有の造船会社となっていた。