ソロモン・スミス・バーニーが1999年央に出したレポートによれば、約3分の2の石油会社が石油開発生産に係る資本支出を2000年には10%以上増やす計画を有している。
さらに長期的な需要と供給のファンダメンタルズを見てみると、例えばIEA(国際エネルギー機関)が1995〜2010年における世界の石油需要の伸びを年1.8〜2.2%と予測する一方で、従来ベースの石油源からの石油生産は2010年から2020年の間をピークに以降減少するとの枯渇モデルを示しているなど、今後は海洋からの石油・ガス生産(特に大水深)が主力にならざるを得ないとの予測がなされている。米国においても、5〜10年後には、国内における石油生産の60%、ガス生産の27%をメキシコ湾の大水深生産に頼らざるを得ないとの予測がなされている。
このようにオフショア市場については中長期的にはかなりの需要が期待できるものと考えられる。例えば、メキシコ湾では50を超える浮体式生産施設が現在計画又は検討されており、従来当該海域では使用されていなかったFPSO(米国油濁防止法(OPA90)に基づきダブルハル化が必要)やダブルハル・シャトルタンカーが相当数投入されることが見込まれていることから、米国造船業界では米国における建造機会に大きな期待を寄せている。