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(2) オフショア市場

縮小を続ける海軍艦艇市場とは対照的に、オフショア市場は海洋油・ガス田開発の成長・大水深化に伴う1990年代半ばからの好況の恩恵を受けてきた。メキシコ湾岸の多くの造船所は、掘削リグ、オフショア建設用船舶、オフショア支援船等の建造・改造で大変な活況を呈していた。市場の成長に対応して、オフショア大手4社(Friede Goldman International、ハルター・マリン・グループ、AMFELS、アラバマ造船)が買収・統合による拡張路線を取った。

 

世界の海洋石油産出量

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出典:国際エネルギー機関(IEA)

 

しかしながら、アジアの経済危機、世界的な生産過剰等により1997年秋以降、石油のスポット価格が急落し、1997年半ばには1バレル当たり20〜22ドル程度だったのが、1999年初めには11〜13ドル程度とおよそ半分の値段となった。拡張路線をとっていたオフショア業界は不意討ちをくらった形となり、ハルター・マリンのように財政的に大きな問題を生じた企業もある(2-4(3)を参照のこと)。

その後、産油国が生産調整を行ったことから、石油のスポット価格は1バレル当たり20ドル台に急反発し、オフショア市場は回復に向かう兆しを見せている。

 

 

 

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