日本財団 図書館


3. 保守整備の現状と今後の方向性

 

3.1 保守整備の方針

 

1) 現状

保守整備計画は、舶用機器製造者の推奨する保守整備を基本とし、これまでの経験を考慮して定めている。保守整備は基本的に予算に縛られる。A社は毎年それぞれの船に対する予算を作成する。予算は部品の交換や保守整備計画を考慮して定める。予算を決めるに当たって、A社は船主と予防措置(バラストタンククリーニング等)を含めた詳細な議論を行う。A社は常に安全を主張し、船舶の健全な航行を確保している。

なお、A社はISMコードが強制化された1998年7月よりもずっと以前から高水準の船舶管理を実施していたことから、保守整備方針については、ISMコードの強制化に伴う影響はなかったとのことであった。

個々の機器に関しては、ポンプやコンプレッサー等のように、機器の状態を分析するために状態の監視を実施し、カレンダーベースの保守整備計画に加えて、状態監視結果を考慮して保守整備を実施しているものもある。

 

2) 今後の方向性

保守整備に状態監視等による危険評価を取り入れていきたい。

 

3.2 保守整備に関する陸上及び船内の責任

陸上の責任は船舶の監督であり、船内の責任は船舶を良い状態で運航し良い状態に維持することである。保守整備は可能な限り船内で実施することを原則としている。

なお、A社は1991年にDNV SEP及びISO9002の資格を取得し、当時から同様な責任分担で実施してきており、ISMコード強制化に伴う影響はなかったとのことである。

また、この責任分担は将来も変わらないであろうとのことであった。

 

3.3 その他

船舶管理会社に新造の監督や運航管理の話が来るのは、通常搭載する舶用機器の選定が済んだ後であるため、船舶管理会社には舶用機器を選択する機会がほとんどない。舶用機器製造者への要望としては、機器のトラブル情報を報告して欲しいということである。舶用機器製造者は通常トラブル情報を公開しない。

 

4. 舶用機器のアフターサービス並びに船舶管理会社と舶用機器供給者との情報交換

 

4.1 舶用機器供給者のアフターサービスの現状

 

1) 舶用機器に関する最新情報の入手方法

舶用機器供給者のマニュアル、舶用機器メーカーの訪問、新聞、展示会、会議

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION