日本財団 図書館


第2章 船舶管理会社とISMAについて

 

船舶管理会社は1960年代末頃から出現しはじめたが、1980年代末には船舶管理は重要な産業となってきた。一方、それまでの20年間、船舶管理会社は、しばしば海運産業の質の低下に関する批判のスケープゴートにされてきた。また、伝統的な船主が投資家等の新しいタイプの船主に代わり、第三者の管理会社がコストの削減や不適切な船舶運航の道具にされているとの批判もでてきた。このような背景があったこと、また、実際上管理会社自身も質の低下を認識していたこと、さらに、船舶管理会社の統一的な集まりがなかったことから、1980年代末に船舶管理会社の協会を組織しようという構想が持ち上がり、1991年にInternational Ship Managers' Association (ISMA)が設立された。(資料1、2参照)

ISMA会員の基本は、ISMAが策定した船舶管理規則であるISMA Codeに適合する船舶管理に関する品質管理システムを構築・維持し、独立機関の監査を受けることである。ISMA CodeはISM Code及び ISO9002の要件を包含するものである(資料3参照)。また、監査は、4つの船級協会(American Bureau of Shipping、Det Norske Veritas、Germanischer Lloyd、Lloyd's Register of Shipping)のうちの3つから各1人づつ派遣される計3人の監査員から成る監査チームにより実施される。

なお、ISMA Codeは、国際海事機関(IMO)においてISM Codeを検討・策定する際にそのベースとなったものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION