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5.1.2 他の輸送機関の輸送エネルギー効率との比較

ここでは、他の輸送機関との比較をすることで船舶の輸送エネルギー効率(RT)の特徴を把握した。

表5.1-1は、日本国内における各交通機関の輸送トンキロ当たりのCO2排出量の比較を示したものである。内航船舶の値は国土交通省がまとめた内航船舶輸送統計年報の輸送総量と燃料消費量のアンケート調査結果より算出されたものである。内航海運の輸送エネルギー効率は、営業用トラックのそれと比較すると5分の1程度となっている。

図5.1-4には、内航船舶明細書に記載の1日当たりの燃料消費量、航海速力及び積載重量から算出した輸送エネルギー効率を、内航海運において多くを占める499総トンクラス及びそれ以下の小型船舶について示した。表5.1-1で示した値と比較するために、内航海運の輸送エネルギー効率39t-CO2/106トンキロ(燃料1トン当たりのCO2発生量は2.999kg-CO2/Fuelと用いた)を点線で示した。図中の各船舶の値は、空き荷航海、積荷率及び高船齢船の経年劣化などを考慮していないので、数値は実際の値より少なめに計算される可能性が高く、実際はこの2倍以上の値で運航されることが多いと推定される。従って表5.1-1に示された内航海運の輸送エネルギー効率(39×t-CO2/106トンキロ)は、これら小型船舶の実航海時の値の影響を受けているものと考えられる。

 

表5.1-1 各交通機関における輸送トンキロ当たりのエネルギー及びCO2排出量

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国土交通省(2000年)、交通関係エネルギー要覧より作成

 

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図5.1-4 内航船舶明細書から算出した内航船の輸送エネルギー効率(RT)

船舶排ガスの環境への影響と防止技術の調査、シップ・アンド・オーシャン財団(1992)より作成。

 

 

 

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