7. 造舶Web導入の期待効果と課題
本章では、造船所、舶用機器メーカが造舶Webを導入した際に見込まれる業務上の効果と、その効果実現の前提となる業務改善及び情報システム整備の内容について、実証実験での検証結果とあわせて述べる。以上の内容を、まず7.1では造舶Web活用高度化の観点から、次いで7.2では造船所・メーカ間の機器設計におけるワークフローパターン別の観点から述べる。
7.1 造舶Web活用高度化の3ステップと期待効果・課題
造舶Web導入による業務上の効果・インパクトは、各社の業務の仕組みが、造舶Webが提供する設計・技術情報の電子的交換を十分活用できる構造になっているかどうかに依存する。すなわち、造舶Webの効果の期待水準は、造舶Webを導入した参加各社の業務改革の進捗度に比例して高まる。
造舶Web活用の高度化レベルには3つのステップがあり、各ステップにおいて業務改革の内容及び期待効果が異なる。図7-1に、造舶Web活用高度化の各ステップにおける取組テーマと業務改革の要件及び期待効果の概要を示す。