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一方、標準化データ項目作成において、造舶各社で現在行っているあらゆる業務パターンに適合させることはほぼ不可能である。このような目的を追求すれば、標準化データ項目の数は膨大になるであろう。また、造舶Webの目的に照らして意味のない情報交換を電子化することになる恐れがある。そこで、標準化データ項目定義にあたっては、以下の3つのアプローチを採った。

(1) 既存の業界標準・規約への準拠

効率的に情報標準化を進めるため、造舶間で既に合意した情報の規約があればそれに準拠することとした。例えば、仕様書の項目に関しては、日本舶用工業会のSM標準(Ship Machinery Standards)が制定されており、程度の差はあるが造舶の実務でもベースとなっていることから、SM標準に準拠した標準化データ項目の定義を行った。

(2) 仕事の円滑化の観点に立ったデータ絞り込み

情報電子化のメリットは再利用の容易さにある。造舶双方の仕事を円滑化する観点から、造舶各社で再利用されるデータを標準化の主たる対象とした。すなわち、造舶間での交換の後、造船所または舶用機器メーカの社内システムに取り込まれるデータや、さらに加工されて再度交換されるデータを中心に標準化データ項目の定義を行った。

(3) 品目共通部分と個別品目固有部分の切り分けと標準化

仕様書の標準化にあたり、仕様書を構成する項目を以下の2種類に区分し、別個に標準化データ項目の定義を行った。

・本船情報、提出図書のようにどの品目についても共通的に使用する項目

・その品目の製品仕様を表現するために必要なその固有の項目

この標準化アプローチにより、品目別検討のフォーカスを品目固有部分に絞ることができ、さらに、標準化データ項目を標準化辞書として造舶Webシステムに実装した後の運用・メンテナンスを簡素化することができる。

 

4.5 品目共通部分の標準化について

品目別検討チームの舶用機器毎の標準化作業と並行して、平成11年度より企画WGを中心に品目共通の視点から標準化データ項目構成の見直し及び表現形式の統一を行った。2年間に実施した標準化テーマは以下のとおりである。

(1) 本船関連項目他

個別品目の標準化データ項目から以下4種の項目群を品目共通の項目として抽出し、独立の標準化データ項目として定義した。

・本船関連項目(General 1)

 

 

 

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