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3.2.3 トヨタの取り組み

トヨタ自動車は、海外事業体を含めたグループ会社および自動車部品の特定仕入先との間で新しい世界規模の部品調達情報システムを専用線を使って構築する計画である。この情報システムでは、部品や資材メーカとの見積もりや仕様、設計情報を交換するもので、アプリケーション名はWARP(ワープ=Worldwide Automotive・Realtime・Purchasing・System)と呼ばれている。2000年秋に米国のANX (Advance Network eXchange)上でこのシステムをまず立ち上げ、順次日本と欧州に広げる。日本での稼働は2002年頃になる見込みである。なお、日本では2000年秋に稼働を開始するJNX (Japanese automotive Network eXchange)と、従来からトヨタデジタルクルーズが運用する両専用線に対応する。欧州ではENX (European Network eXchange)を使う計画である。

トヨタは部品調達情報のやりとりにインターネットを使わず、もっぱら専用線だけを使う意向である。汎用の一般備品の調達には、米ゼネラル・モーターズ社が運営するインターネットを利用した電子商取引市場のTradeXchange(トレード・エクスチェンジ)に参加する。また、米ビッグスリー(三大自動車メーカ)とルノー、日産が参加するCOVISINTへの参加も検討しており、2000年10月には、トヨタ自動車は、汎用品と一般部品の調達に自動車業界のeMarketplace COVISINTを利用するつもりであることを同社専務取締役の渡辺捷昭氏が講演の中で明らかにした。

COVISINTへの参加の狙いは、共同購買による調達コストの削減である。一方、独自に設計したカスタム部品は、自社専用のWARPシステムで取引を実施する形態である。開発競争が激化する中、重要な機密情報をやり取りする仕組みと、競争にあまり影響しない情報をやり取りする仕組みを2本立てにして使い分ける考えであり、現実的な方策といえる。

 

 

 

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