以下に各検査の概要を記す。
(a) 所轄官庁による検査
イ) 落成検査
クレーンを設置した者は、所轄労働基準監督署長に落成検査申請書を提出し検査を受けなければならない。検査の内容は、クレーン各部分の構造及び機能について点検を行うほか、荷重試験及び安定度試験(橋型クレーンについては必要ない)について検査を行う。
検査に合格した揚合には、2年、又は検査の結果によっては2年未満の有効期間の「クレーン検査証」が交付される。また、事業者は、クレーンを用いて作業を行う時は、当該作業を行う場所にこの検査証を備え付けておかなければならない。
ロ) 性能検査
クレーン検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、所轄労働基準監督署長又は、労働大臣が指定する者(性能検査代行機関)によるクレーン各部分の構造及び機能についての点検及び荷重試験を検査内容とする性能検査を受けなければならない。
この検査に合格した場合には、検査の結果により2年未満又は、2年を超え3年以内の「クレーン検査証」の有効期間が更新される。
ハ) 変更検査
設置されたクレーンの規則により定められた部分を変更した場合には、所轄労働基準監督署長による落成検査と同様の検査内容の検査を受けなければならない。
この検査に合格した場合には、検査の結果により検査証に検査期日、変更部分及び検査結果について裏書きされる。
(b) 事業者が行う自主検査及び点検
イ) 定期自主検査
事業者は、クレーンを設置した後、自主検査を行う日前2ヶ月以内に性能検査による荷重試験を行った場合、自主検査を行う日後2ヶ月以内にクレーン検査証の有効期間が満了する場合、及び荷重試験を行うことが著しく困難なところに設置されており、かつ、所轄労働基準監督署長が荷重試験を行う必要がないと認めた場合を除き、1年以内に1回、定期的に、荷重試験を検査内容とする定期自主検査を行わなければならない。
また、事業者は、1月以内に1回、定期的に、規則により定める部分について自主検査を行わなければならない。
事業者は、この検査及び点検を行った場合にはその結果を記録し、これを3年間保存しなければならず、また、異常を認めた時には、直ちに補修しなければならない。